心アミロイドーシスの治療
心アミロイドーシスの治療には、 原因である「アミロイドーシス」そのものに対する治療と、 「心臓の症状」に対する治療の2種類があります。
1. アミロイドーシスそのものに対する治療
- ATTRアミロイドーシスの場合、病気の原因である「アミロイド」が新たに作られないように抑えるお薬(トランスサイレチン安定化薬)を使います。このお薬は、トランスサイレチンが、元々の4つ1組の形からバラバラになり、アミロイドになることを防ぎます。この治療法の登場により、診断することができれば治療により病気の進行を抑えることが期待できるようになってきました。
- ALアミロイドーシスの場合、アミロイドをつくる原因となる異常な形質細胞を減らすことを目的とした抗がん剤と、自家幹細胞移植*を組み合わせた治療が主に選択されます。
- 幹細胞移植:あらかじめ採取・保存しておいた自分の幹細胞を移植し、元の血を造る機能を回復させる
2. 心臓の症状に対する治療
利尿剤により、体内の余分な水分を減らしてむくみをとり、心臓にかかる負担を軽くします。また、心臓の動きのリズムが整っていない場合(不整脈)には、リズムを整えるお薬や血液を固まりにくくするお薬を使ったりします。脈が少なすぎる場合には、ペースメーカを埋め込むこともあります。
- 参考:
- 日本循環器学会(編). 2020年版 心アミロイドーシス診療ガイドライン. (2025年2月確認)
◆ 治療に対する医療費の助成
「全身性アミロイドーシス」であるATTRアミロイドーシス、ALアミロイドーシスは、国の「指定難病」となっており、難病法による医療費助成の対象です。詳しくは、「知っておきたい社会保障制度」をご参照ください。
あわせて読みたい
前ページ
心アミロイドーシスの検査と診断