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手足のしびれに要注意(心不全との関係)

心不全患者さんで手足のしびれがある、または過去にあった場合、心アミロイドーシスという病気の可能性があります。
心アミロイドーシスは、「アミロイド」と呼ばれる異常なタンパク質が心臓にたまることにより、心臓の働きが悪くなる病気で、進行すると心不全や不整脈を引き起こします。

全身の臓器にたまり、症状を引き起こす「アミロイド」

「アミロイド」は、心臓だけでなく全身のあらゆる臓器にたまり、さまざまな症状を引き起こす原因となります。特に神経や手指のけんにたまりやすいことがわかっており、手指のしびれや痛みを引き起こす「手根管症候群しゅこんかんしょうこうぐん」や、足腰のしびれを引き起こし、長時間の歩行が困難になる「脊柱管狭窄症せきちゅうかんきょうさくしょう」の原因となることがあります。

※横にスライドしてご覧ください。

日本循環器学会(編). 2020年版心アミロイドーシス診療ガイドライン. p.13, 19, 20, 22, 43. (2025年2月確認)を参考に作図
ここでワンポイント
  • 「手根管症候群」は、一般的に女性に多いですが、 アミロイドによるものは中高年の男性に多く、両方の手指にしびれが起こるのが特徴です。
  • 心アミロイドーシスの症状が現れる約7年前から手根管症候群が出現していたという報告もあります。

心当たりのある方は、かかりつけ医またはお近くの循環器内科にご相談ください。

参考:
日本循環器学会(編). 2020年版 心アミロイドーシス診療ガイドライン. p.13. (2025年2月確認).
Nakagawa M, et al. Amyloid. 2016; 23(1): 58-63.
 
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