治療生活のヒント
治療生活の中では、注意することや制限しなければならないこともあり、少し気疲れすることもあるかもしれません。
このページでは、心アミロイドーシスの患者さんと、大切なひとを支える家族の方に向けて、生活に役立てていただけるような情報をご紹介します。
3つのヒント
心アミロイドーシス患者さんの生活においては、心不全と同様に①お薬をきちんと服用すること、②食事の塩分に気を配ること、③適切な運動をすることが大切です。

飲み忘れや飲み間違いを防ぐためのヒント
「一包化」について薬剤師に相談してみましょう。
調剤薬局では、服用のタイミングが同じ薬を、1回の服用ずつ1袋にまとめること(一包化)ができます。
▶そのほか、調剤薬局でできること
調剤薬局によっては、事前にネットで処方箋を送ることで 受取り予約をすることができたり、 自宅へ配送してくれるサービスがあります。待ち時間や調剤薬局への移動が負担になる方は、かかりつけの調剤薬局に相談してみましょう。

食事を楽しみながら、おいしく減塩するヒント
調味料として使用される食塩に含まれるナトリウムは、体内に水分をとどめる働きがあるため、とりすぎると高血圧やむくみの原因となり、心臓に負担をかけてしまいます。「減塩の食事は薄味でなんだか味気ない」と感じている方は、以下の工夫で新しい食事の楽しみ方を見つけてみてはいかがでしょうか?
香味野菜・香辛料などを活用する
- ミョウガやシソ、生姜やニンニクなどの香味野菜は香りが強いため、薬味や下味に使うと味に深みが出て調味料を減らすことができます。
- ワサビやからしなどの辛味や、ゴマや油脂の風味の活用で、つけだれや醤油を減らすこともできます。
- 胡椒や唐辛子、カレー粉のような香辛料やスパイスは、刺激となって薄味でも味が引き締まります。また、下味にも使えます。
酸味を活かす
- レモン汁や酢などの酸味は薄味を補い、旨味を引き出す効果があります。
汁物(お味噌汁など)には塩分が多く含まれるため、野菜などの具をたくさん入れて汁気を減らす
麺類を食べるときは、汁は飲まずに残す
煮物は味がしみ込み塩分が多くなるため、品数を減らし、副菜に和え物や酢の物などを選ぶ
その他にも、減塩のレトルト食品や減塩食の宅配サービスを活用したり、減塩料理を提供している飲食店を利用するという選択肢もあります

運動のヒント
強すぎる運動や長時間すぎる運動は、心臓に負荷をかけ、心不全を悪化させることがありますので良くありません。
しかし、適切な運動は
体力の向上や筋力の維持に効果的であり、心不全の悪化による再入院の危険性が減ることもわかってきました。
心臓病のある患者さんには、有酸素運動や、軽い筋力トレーニング(低強度レジスタンストレーニング)がすすめられています。ご自身に適した運動療法を安全に、そして効果的に行うために、かかりつけ医に相談してみてはいかがでしょうか。
次ページでは、例として『日常生活の中でできるリハビリ』を紹介しています。
- 自宅で運動療法を始める際には、必ずかかりつけ医にご相談ください。
- 参考:
- 日本循環器協会, 他(編) . 心不全療養支援ポケットガイド. 南江堂; 2024, p.51-55, 62-72.
- 日本循環器学会. 5. 心臓にやさしい生き方. (2025年2月参照)